【エッフェル塔=富士山? 西洋が求めた拠り所が、日本だった話】

 

 

∑(゚Д゚)かと思いますが、個人的にめちゃくちゃ面白いメルマガでした!

 

 

***引用ここから***

From:田中英道(東北大学名誉教授)

日本人なら誰もが一度は見たことのある絵…

これは、江戸時代の天才画家、

葛飾北斎(かつしかほくさい)が
描いた『富嶽三十六景』です。

ご存じのように、
「富士山」を描いている絵が
三十六作品あるわけです。

この『富嶽三十六景』は
国内のみならず、海外でも広く
知れ渡ることになりました。

19世紀後半に「ジャポニズム」として
フランスで大流行して、その衝撃は
ヨーロッパ中に広まっていきます。

これは単にヨーロッパの人たちが、
日本の浮世絵に感心した、
というだけのことではありません。

それ以上のものがあるのです。

それは何かというと、
自然が人間を守るものだという
自然観がヨーロッパの人たちの
心をとらえたのです。

というのも、西洋では、
自然は人間と敵対するものという
自然観が支配していたからです。

自然とは冷たいもの。
場合によっては「悪魔的存在」
であるという概念を、

ジャポニズム、特に
北斎の「富嶽三十六景」は、
揺さぶったのです。

これによって、
セザンヌ(近代画家の父)、
モネ(フランスの巨匠)、
ゴッホ(印象派を代表する画家)など、
最先端の画家たちが影響を受けます。

これは何を意味するのでしょか。

単に西洋美術の主題が
“都市”から“自然”に移った。

あるいは“神話的・宗教的なもの”から、
“自然”に移ったということだけではありません。

ジャポニズムの最大の意義は、
「キリスト教的な神」
というものに縛られない自然信仰を、

初めて西洋世界・キリスト教世界に
伝えたということなのです。

ですから、このことは、
非常に重要な哲学的・宗教的な
意味があるわけです。

ドイツの哲学者:
フリードリヒ・ニーチェが
「神は死んだ」と言ったとき、

彼はすでにジャポニズムに
接していたと思われますが、
そうした研究はありません。

しかし、「神は死んだ」という言葉に、
ジャポニズムの影響があったとしても
不思議ではありません。

なぜかというと、
ジャポニズムがヨーロッパで
流行したのは1870〜1880年代です。

そして、この言葉が書かれた
『悦ばしき知識』は1882年の出版です。


※ニーチェ著:悦ばしき知識(Die fröhliche Wissenschaft)

「神は死んだ」という言葉が
誕生したのと同時代なのです。

また、日本の思想・自然信仰が
ヨーロッパに影響を与えた別の例としては、
パリにつくられた「エッフェル塔」があります。

エッフェル塔は、
フランス革命百周年を記念して
パリで行われた万国博覧会のために、
1889年につくられました。

エッフェル塔をよく見ると
「富士山」に似ています。

もちろんこれを、その形から見て、
すぐに富士山を思い付く人はいないでしょう。

しかし、パリを守る塔をつくりたいという
意志を私は感じるのです。

「何を突飛なことを」
と言われるかもしれませんが、

アンリ・リヴィエールという人が、
「エッフェル塔三十六景」という
作品を描いています。

ジャポニズムが流行っている
ちょうどその頃です。

 

その作品を見れば、

「富嶽三十六景」の影響が
あることがすぐわかります。

パリという都市がエッフェル塔によって、
富士山、日本とつながっているのです。

ですから、みなさんもパリに行ったら、
エッフェル塔というのは富士山を
真似してつくられたのだというふうに
見てもらうと面白いと思います。

これを、ヨーロッパ近代の
大きな歴史の流れの中に位置付けていうと、
こういうことなのです。

フランス革命は、
過去の封建的な王政を倒し、
あるいはノートルダム寺院などの
教会を破壊しました。

その破壊の後に残った
「市民」という人々には、

キリスト教など
旧来のシンボルにとって替わる
新しいシンボルが必要でした。

それがエッフェル塔であった
ということなのです。

近代という時代の象徴(エッフェル塔)が、
その精神的な基盤に自然という概念(富士山)を
取り入れたということなのです。

ヨーロッパの人々は、デカルト以来、
「理性」ということを言いはじめて、
「科学」を生み出しました。

その後、科学はたいへんな勢いで発達しますが、
その科学が本当に人間を救うのかどうか、
人間は科学を信じ切ることができるのか、
という問題があるのです。

旧来のキリスト教に帰ることもできない…

だからといって、
科学を拠り所とするには不安がある…

そこに日本人の自然という概念、
富士山に象徴される自然信仰が
西洋に入り込んだのです。

東北大学名誉教授 田中英道

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